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今月の園だよりから
2023年度

青山学院幼稚園からの「園だより」をお届けします。

3月のおたより

園長より

先日の合同保護者会でキリスト教保育連盟名誉理事 長山篤子先生にご講演をいただきました。そこで3冊の絵本を読んでくださいましたが、85歳の先生の絵本の朗読は、その声の張りや抑揚、間の取り方など素晴らしく、聞く者の心を引き付け物語が絵本の世界から飛び出てくるような臨場感を味わいました。プロの読み聞かせとはこのようなものかと感嘆しました。私も子どもが寝る前に読み聞かせをしていました。長男は『いたずらきかんしゃちゅうちゅう』や『三びきのやぎのがらがらどん』ばかりを選ぶので私は飽き飽きして、まったく楽しくありませんでした。振り返ってみるとなんともったいない時間にしてしまったと悔やまれます。子どもと一緒に楽しんだら、お互いもっと楽しい時間になったと思います。読み聞かせの巧拙ではなく、子どもと一緒に過ごす時間を楽しめたらと願います。

今年度も3月、締めくくりの時を迎えます。子どもは一人ひとり大きな成長があったことと思います。特に年長の皆さんは、3年間を振り返るとその成長ぶりに目を見張り、よく頑張った、偉いねと褒めてあげたくなるでしょう。

子どもたちが皆様の守りの中で確かな成長が与えられたことに感謝いたします。神様からの祝福が幾重にもありますようにお祈りいたします。

「主を喜びとせよ。主はあなたの心の願いをかなえてくださる。あなたの道を主に任せよ。主に信頼せよ。主が成し遂げてくださる。」詩編37編4-5節

2月のおたより

園長より

3学期を迎えて子どもたちは、幼稚園で元気に遊んでいます。大寒の日も園庭を駆け回って汗をかいている姿に、「子どもは風の子」と言われたことを思い出します。古くは「童は風の子」、「じじばば火の子」と対にしてわらべ歌でも歌われていたそうですが、今も昔も変わらず、子どもが歓声をあげながら遊ぶ姿に元気と笑顔をもらえます。
子どもは風の子ですが、青山学院の子どもは、神様の子、光の子です。寒い風が吹き付ける時も、暖かな日差しに包まれる時もいつも、神様が共にいてくださいます。神様の守りの中に歩みが進められますようにお祈りいたします。

元日に起きた能登半島地震から一か月経ちますがまだ断水が続き道路の復旧にも時間がかかるようです。安心して穏やかに暮らせるように早い復興を願います。幼稚園での募金にご協力いただきありがとうございました。これからも、被災された方や復興支援に当たられる方たちを支援し、お祈りいたします。

私たちは、日常の豊かさや便利さに慣れて、蛇口から清潔な水が出るという当たり前のことに感謝することは少ないのですが、生活の一つ一つが多くの人の手によって守られ支えられていることに感謝したいと思います。

「闇の中を歩んでいた民は大いなる光を見た。死の陰の地に住んでいた者たちの上に光が輝いた。」イザヤ書9章1節

1月のおたより

園長より

まずこの度の能登半島地震によって犠牲になられた多くの方とそのご家族の皆様に、主が共にいて慰めとお守りがありますように祈ります。また被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げるとともに、一日も早い復興をお祈りいたします。
大きな災害と事故が起きる年明けですが、この1年も皆様の上に神様のお守りと祝福が豊かにありますようにお祈りいたします。

先月、4年ぶりに園児と保護者の皆様全員でクリスマス礼拝を行うことができました。体調を崩して欠席する園児が多かったので、感染予防のために子どもだけのクリスマス礼拝をすることができずに、全体の練習なしで当日の礼拝を迎えましたが、ページェントに出演した年長組も、賛美をした年中組年少組も、長い時間にもかかわらず集中して参加できました。みんなで待っていたクリスマスをみんなで迎えられて、みんなが笑顔になる喜びの時でした。皆様のご協力に感謝いたします。

2024年は、青山学院が創立150周年という大きな節目を迎える年です。創立150周年を記念して建築された大学図書館が開館し、9月には幼稚園舎が完成いたします。そして、多くの思い出が詰まった現園舎での生活や諸行事の一つ一つが最後の時となります。惜別の情が湧いてきますが、一つの終わりは、一つの始まり。今を生きる園児にとって毎日が新しい発見や出会い、新たな経験・学びの時です。保育者も、日々変化し成長する子どもたちに、よりよい環境を備え成長を支えていく使命を新たにしております。
一昨年から幼稚園では、平和を祈る会を続けております。そこでは、私たちが神様に守られていることを感謝し喜ぶことと同時に、恐れと不安、悲しみや空腹に耐えている人たちを忘れずにいること、祈ることが価値のある大切なことだと分かってほしいと願っております。
子どもたちが生きる未来が、誰もが安心して穏やかに過ごせる平和な世界でありますようにと切に願っております。

「どんな場合にも、感謝を込めて祈りと願いを献げ、求めているものを神に打ち明けなさい。
そうすれば、あらゆる人知を超えた神の平和が、あなたがたの心と考えとをキリスト・イエスにあって守るでしょう。」
フィリピの信徒への手紙4章6b~7節

12月のおたより

園長より

今年もクリスマスを迎える月になり、幼稚園はツリーやリース、アドヴェントカレンダーや降誕の様子を表した人形(プレゼピオ)などなど、クリスマスをお祝いする飾りが整えられています。先週から、幼稚園では教会より一足早くアドヴェント礼拝が始められました。皆様にはハンドベルの演奏にご協力いただきありがとうございます。子どもたちにとってアドヴェントが、クリスマスを待ち望む大切で、楽しい時になるようにと願っております。

さて、一般的にアドヴェントカレンダーとは、クリスマスまでの一日一日、その日の扉を楽しみに開いていくものです。幼稚園では、クラスの壁に飾られたカレンダーの土台に、一日につきひとりかふたりの子どもが自分の飾りを飾っていきます。最後のひとりが飾り終えると、幼稚園のクリスマス礼拝の日がやってきます。子どもたちは「自分の番は、いつ来るのだろう」「クリスマス礼拝まで、あと何日だろう」と、希望に胸を膨らませながら「待つ」経験をします。

イエス・キリストがこの世にお生まれになった、驚くばかりの神様の愛を理解することは難しいことですが、私たちを守ってくださる神様、私たちに命を与えてくださり生かしてくださっている神様に感謝することができたらと願います。

世界に目を向けると、毎日多くの命が奪われているニュースに胸が潰れます。私たちが、穏やかに生活できていること、命が大切にされていることがどんなに有難く幸せなことなのかと思い知らされます。私たちが、どのような状況であっても希望を失わずに、互いに愛し合い仕え合い、平和な家庭を作り、平和な社会、平和な世界を作り出す者でありたいと切に願います。

「神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された。御子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである。」ヨハネによる福音書3章16節

11月のおたより

園長より

秋風の中、楽しかった運動会に続いて、遠足・平和を祈る会・会食・収穫感謝礼拝と10月は、たくさんの行事が目白押しでした。インフルエンザでのお休みもあって、ご家族の皆様にはご多忙の中、いろいろとご協力いただきました。ありがとうございました。幼稚園は入園テストの間、しばらくお休みになりますが、よろしくお願いいたします。

2022年、ロシアのウクライナ侵攻から始まった平和を祈る会が、今も続けられています。そこに追い打ちをかけるかのように報じられる、イスラエルとパレスチナのニュースに心が潰れる思いです。イザヤ書に記されている「彼らはその剣を鋤に/その槍を鎌に打ち直す。/国は国に向かって剣を上げず/もはや戦いを学ぶことはない」このような世界でなくてはならないのです。子どもたちが大人になった時に、人を殺さねばならない世界に生きることなど、あってはならないはずです。命を大切にすること「殺してはならない」との戒めは、どの宗教も重要な教えのはずです。「わたしがあなたに与える命令は平和」との言葉を忠実に守り、世界の平和を真剣に求め続けなければなりません。イザヤが預言した平和の日を求めて。

「雌牛と熊は草を食み その子らは共に伏す。獅子も牛のようにわらを食べる。
乳飲み子はコブラの穴に戯れ 乳離れした子は毒蛇の巣に手を伸ばす。
私の聖なる山のどこにおいても 害を加え、滅ぼすものは何もない。
水が海を覆うように 主を知ることが地を満たすからである。」
イザヤ書 11章7~9節

10月のおたより

園長より

ラグビーやバレーボール、野球に陸上競技、バスケットなど、国内外で大きなスポーツ大会が続き熱戦が繰り広げられています。幼稚園では先日、年長さんがタグラグビーをする機会がありました。指導に来られたコーチのもとラグビーを楽しめました。青山学院には、初等部、中等部、高等部、大学と各学校にラグビー部があり、ラグビーは青山学院を代表するスポーツの一つです。

ラグビーの特徴は、人を育てること教育的なスポーツであることを明確にしている点にあると思います。それは、ラグビー憲章に掲げられている「情熱」「結束」「品位」「規律」「尊重」という5つの言葉に象徴されています。ノーサイドの精神や審判や相手チームへのリスペクトは、社会人として成長する時に大変重要です。ラグビーの試合後におこなわれる、アフターマッチファンクションは、試合に参加した全選手、監督、コーチ、審判、運営スタッフがそろって飲食を共にする会です。他の競技ではあまり見られないこの集まりが、ノーサイドの精神、共に競い合い、共に高め合い、共に助け合う強い絆に結ばれた仲間を作り出しているようです。

世界で対立と分断が露わになってきている時に、自分や自分の家族、自分の国だけでなく、誰もが大切な人であり、大切な家族があり、どこの国も大切な国であることを心に刻み、共に助け合い共に生きることを願っています。

「敵を愛し、迫害する者のために祈りなさい。」マタイによる福音書5章44節

9月のおたより

園長より

今年の夏は猛暑が続き9月になっても相変わらず暑い日が続くとのころです。コロナの感染や熱中症に気を付けながら2学期の保育を進めてまいります。

先日、近くの公園でモミジバフウ(紅葉葉楓)の実を拾いました。アニメのトトロに登場するまっくろくろすけに似た黒い実は、子どもたちが喜ぶかもしれないと思っています。この夏休みの間に、ご家族と共に子どもは新たな体験から多くを学び、成長したことと思います。一回り大きくなった子どもから、思い出に残った話を聞けることを楽しみにしています。長い夏休み中のご家族のお支えに感謝いたします。

9月はファミリーデーから始まり、おじいさまおばあさまと一緒に過ごす会、秋には運動会に遠足、そしてアドヴェント、クリスマス礼拝と楽しいイベントが続きます。園舎の工事も進み建物が次第に立ち上がっていく様子も興味深くみられることでしょう。とは言え、休み明けは、誰しも生活のリズムが変わり心身ともに疲れる時ですから、子どもたちが元気に楽しく仲良く過ごせるように、保育者はしっかりと準備を進め見守ってまいります。ご家庭でもしばらくの間、心と体の疲れを受け止めてくださいますようお願いいたします。

「主の慈しみは絶えることがない。その憐れみは尽きることがない。それは朝ごとに新しい。」哀歌3章22, 23節

7月のおたより

園長より

先日の子どもフェスタは構想・企画から長い間の準備を経て、前日の飾りつけと当日の進行・片付けまで、役員の皆様をはじめ多くの皆様のお働きによって、素晴らしいフェスタとなりました。心から感謝いたします。ありがとうございました。おかげで、子どもたちは楽しい経験をしながら、絵本の中の主人公になったかのように世界を旅することができました。平和という言葉が各国の言葉で掲げられ、終点の世界平和駅には希望の虹が輝いていました。子どもたちが進む世界は平和でなければならないとの思いを強くしました。現実の世界を見据えながら、子どもたちのために希望の虹を見上げて、平和を実現する一人ひとりでありたいと願います。

今月は、軽井沢キャンプが行われます。親元を離れて友達と一緒に生活する経験は、普段の生活と比べ物にならない不自由さと寂しさ、不安があると思います。しかし、同じような気持ちを抱えた友達がそばにいることで、我慢ができます。頑張れます。たった一泊二日の旅ですが、子どもにとっては大きな一歩です。豊かで美しい自然の中で、神様に守られていること、忍耐と協調を学び自立の心も養われる時となります。

「見よ、兄弟が共に座っている。なんという恵み、なんという喜び。」詩編133編1節

6月のおたより

園長より

5月の連休明けから、野の花門からの登園降園となりました。歩道や階段が狭くご不便をおかけしますが、一般の方の通行にご配慮くださりご協力に感謝いたします。特に雨の日は、ご注意をよろしくお願いいたします。

子どもの登園の様子は、様々です。「いってらっしゃい」「楽しんできてね。」と言葉をかけて笑顔でお見送りされる方。ハイタッチをしてから手を振ってお別れしたり、ぎゅうっとハグしてからいってらっしゃいの方。お家の方の脚にしがみついて離れない時期もあれば、お友達をみつけて、振り返ることもなく走り去る時もあります。それぞれが、楽しい時であったり、後ろ髪ひかれる切ない時であったり、成長の喜びを感じながらも一抹の寂しさを覚える時であるのかと思います。私も幼稚園や小学校を行きたくないと駄々をこねて休んだり、本当は何ともないのに具合が悪いと言ってずる休みしたりした記憶があります。行きたくなかった理由は覚えていません。なんとなく休みたかったというのが一番近いように思います。今にして思えば、なにかしら疲れていたのかもしれません。今日はお休みしてよいことになるとホッとして嬉しいのですが、反面、後ろめたさも残るのです。休息と自責の念が、翌日からの活力に変わったのかもしれません。朝、家の方と別れるのが嫌だと泣いていた子が、帰りには帰りたくないと泣いていることもあります。日々成長する子どもを見守り祈っております。

「主はあなたの行くのも帰るのも守ってくださる。今より、とこしえに。」詩編121編 8節

5月のおたより

園長より

子どもたちの遊び場として、人気の三角遊具や、駆け上ったり駆け下りたり、雪の日にはそり滑りを楽しんだ斜面がある裏庭ともお別れの時を迎えました。閉鎖される前日に、モッコウバラとオリーブ、二色のアジサイの枝を挿し木にしてみました。うまく根付いてくれるといいと思っています。
5月は新緑が美しいときです。花も咲き、オタマジャクシや蝶の蛹など子どもが自然の移り変わりや生き物の不思議さを見つける機会が多いときです。幼稚園でもたくさんの発見があるように、子どもたちの気づきにつながる保育を心がけています。私は子どものころ、オオバコの茎を使って草相撲で遊んだり、クローバーの花を集めて首飾りを作ったりして遊んだ記憶があります。タンポポの綿毛を吹いて飛ばすのも楽しい遊びでした。幼稚園がお休みの時などに、近くの公園に行けば、子どもの発見や気づきはたくさん見つかると思います。保育者やご家族の見守りの中で、子どもの主体的な遊びが生まれます。子どものそばで、子どもが見ているものを一緒に見て、子どもが聞いているものを一緒に聞いてあげてください。見守られている安心感が、新しい一歩を踏み出す力になります。
ちなみにですが、我が家の猫は、私がスマホを見ていると自分の相手をしろとばかりに邪魔をしてきます。

「主に自らをゆだねよ 主はあなたの心の願いをかなえてくださる。」詩編37編 4節(新共同訳)

4月のおたより

園長より

春の日差しを浴びて、幼稚園のオリーブ門にはモッコウバラの黄色い花が咲き、オリーブの柔らかな青葉とともに、子どもたちの登園を喜んでいるようです。4月は青山学院の全ての学校が新入生を迎え、喜びと活気に満ちあふれています。
幼稚園では、今月14日に新園舎の起工式が行われ、いよいよ工事が始まります。工事期間中の安全と保育環境の確保に努めてまいりますので、ご不便をおかけすることがございますが、ご理解ご協力をお願い申し上げます。
青山学院幼稚園は、祈りと感謝と喜びの生活が実現できるキリスト教保育を目指しております。このことは、幼稚園だけではなく、ご家庭の生活と教会での出会いが欠かせません。子どもたちには、幼稚園とご家庭と教会とで、自分を優しく受け入れてくれる人々との出会いの中に、神様の守りと恵みを感じ、感謝と喜びを祈る日々を過ごしてもらいたいと願っております。私ども教職員は、お預かりする子どもたちは、神様が特別に選んでくださった大切な一人ひとりであることを心に刻み祈りつつ、ご家族の皆様と共に、子どもたちの成長を助け見守ってまいります。お祈りいたします。

<青山学院今年度聖句>
「私たちは、見えるものではなく、見えないものに目を注ぎます。見えるものは一時的であり、見えないものは永遠に存続するからです。」コリントの信徒への手紙二4章 18節