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今月の園だよりから
2022年度

青山学院幼稚園からの「園だより」をお届けします。

3月のおたより

園長より

寒さに凍えていた時期が過ぎると、外気の温度は初冬のころと変わらないのに、寒さが緩んで温かくなったように感じられます。青山キャンパスの梅が咲き、ヒイラギナンテンは良い香りを放っています。もうすぐ桜のつぼみも膨らんできます。コロナ禍で今までとは違う日々が続きましたが、4月からは以前のように生活できる希望が見えてきたことは嬉しい限りです。
卒園を前にして、年長組の子どもたちが「ゆりきくフェスタ」を企画してくれました。案内係からコインすくい、お店屋さん、ショー、それぞれ子どもが、工夫を凝らして年少組や年中組、保護者の皆さんをもてなしてくれました。まるで文化祭・学園祭を見ているようでした。自分たちが楽しみながら、他の人に楽しんでもらうために一生懸命頑張っている姿は、まさに「地の塩、世の光」サーバント・リーダーです。青山学院の核となる頼もしく素晴らしい子どもたちです。
冬の寒さを経験すると、わずかな春の兆しに気が付くように、痛みや失敗、挫折や不条理を経験することは、人の痛みや弱さに気づき、平穏な日々のありがたさを知ることになります。どのような中にあっても、希望をもって感謝と喜び、祈りの日々を送りたいと願います。
この一年、子どもたちが皆様の守りの中で確かな成長が与えられたことに感謝いたします。皆様の献身的なお働きに心から感謝申し上げます。神さまからの祝福が幾重にもありますようにお祈りいたします。

「恐れるな、私があなたと共にいる。たじろぐな、私があなたの神である。私はあなたを奮い立たせ、助け私の勝利の右手で支える。」イザヤ書41章 10節

2月のおたより

園長より

2月は寒さが厳しく、服を重ねて着ることから如月(きさらぎ)の異名となったとの説が多く語られます。寒さの厳しい現代の2月にはふさわしいように思います。
冷たい北風が吹く中でも、子どもたちは元気に遊んでいます。
1月の会食は、塩味の肉じゃがと沖縄の炊きこみご飯ジューシーにデザートのリンゴでした。とても美味しくて、お代わりの行列ができていました。黙食の習慣は本当によく徹底されていて、黙って食事の席に着くところから始まり、手の消毒やマスクの交換、食事中はもちろん、食後のテーブルの消毒、片付けまで無言で済ませています。園児に黙食は無理だろうと思っていた自分が恥ずかしくなりました。
私が子どものころは、食事は黙って食べなさいと言われていた記憶があります。何事も一つのことに集中することを求めた禅宗の修行生活から生まれた習慣とのことです。トイレで話をするなというのも、集中するためだと聞いて驚きもし、感心もしました。たしかに、子どもたちは余計なことはしません。食事に集中しています。私も具材を一つ一つ見ながら味わってゆっくりいただきました。もっとも、保育者は食べる暇もないほどの忙しさです。黙食は子どもにとって苦痛ではないかと心配していましたが、必ずしもそうとばかりは言えないように思われました。子どもの適応力、継続や習慣の力を再確認する時でした。

「誰も、二人の主人に仕えることはできない。一方を憎んで他方を愛するか、一方に親しんで他方を疎んじるか、どちらかである。あなたがたは、神と富とに仕えることはできない。」マタイによる福音書6章24節

1月のおたより

園長より

新年あけましておめでとうございます。この1年も皆様の上に神様のお守りと祝福が豊かにありますようにお祈りいたします。

昨年末に裏庭の埋蔵物調査が行われましたが、何の問題もなく終わりましたので、3月まで今まで通りに使えることになりました。休みの間、裏庭にはハートの形のナンキンハゼの落ち葉が一面に敷き詰められ、子どもたちを待っているようでした。またみんなで楽しく遊べることを喜び感謝いたします。
先月のアドベント礼拝では、ハンドベルの演奏ありがとうございました。子どもは自分の母親が演奏している時とそうでない時では、当たり前のことですが、聴き方が違います。母の演奏は誇らしくもあり心配でもあるのかもしれません。子どもが食い入るように見つめる先で、美しいクリスマスキャロルを奏でてくださりありがとうございました。
年長・年中のクリスマス礼拝では、保護者の皆さんへ礼拝中の注意事項を子どもたちが担当しました。携帯電話をマナーモードにしてくださいなど、子どもたちからの言葉には保育者からの言葉と違う力、子どもの可能性を感じた時でした。
新しい年を迎え、新たな成長の一年になります。子どもの成長にはそれぞれ違いがありますが、間違いなく日々変化し成長を遂げています。より良い成長を祈りつつ、共に生きる一年でありますようにお願いいたします。

「あなたがたのために立てた計画は、私がよく知っている――主の仰せ。それはあなたがたに将来と希望を与える平和の計画であって、災いの計画ではない。」エレミヤ書 29章 11節

12月のおたより

園長より

今年もクリスマスを迎える月になりました。青山学院クリスマスツリー点火祭も3年ぶりにガウチャー礼拝堂の前で行われ、幼稚園ではアドヴェント礼拝が始まりました。子どもたちにとって「アドヴェントクランツに灯りがつくと」を賛美しながらクリスマスを待ち望むとても楽しい季節です。保育者からクリスマスの物語を聞き、ページェントやクリスマス礼拝の準備を進めるうちにクリスマスや献金の意味を理解していきます。特に今年は平和を祈り続けてきましたから、みんなが平和にクリスマスを迎えられるように願い祈る時にしたいと思います。
皆様には、アドヴェント礼拝でハンドベルの演奏をしていただきありがとうございます。子どもにとって、演奏しているお母さまの姿を見るのはとても嬉しく誇らしいことです。ハンドベルは、一人では演奏できない珍しい楽器です。互いに協力して気持ちを合わせなくては完成しないハンドベルの演奏は、人間が支え合い助け合いながら生きる存在であることを教えているようです。少ない練習にもかかわらず、素晴らしい演奏を披露して下さっている皆様のチームワーク、青山ファミリーの素晴らしさに感謝しております。
主イエス・キリストは、神と人とが仲良く生きられる道を備えられた平和の君です。私たちも、どのような状況であっても希望を失わずに、互いに愛し合い、仕え合い平和な家庭を作り、平和な社会、平和な世界を作り出す者でありたいと切に願います。

「いと高き所には栄光、神にあれ 地には平和、御心に適う人にあれ。」ルカによる福音書2章14節

11月のおたより

園長より

雲一つない青空の下、運動会が開催されました。今年は3年ぶりにご祖父母の皆様もお招きできて賑やかで楽しいひと時を過ごすことができました。子どもたちが、かけっこやリレーで一生懸命走る姿を見ると応援にも熱がこもります。親子競技での笑顔はまた格別です。ご祖父母やお母様方の玉入れはとても上手で驚きました。お父様の綱引きは園庭が掘り返されるほどの迫力です。礼拝で賛美したように、みんなが元気に遊んで、助け合い、生きる力をいただけたと思います。係の皆様をはじめ準備から当日のお手伝いまで、ご協力いただきありがとうございました。
幼稚園は入園テストの間しばらくお休みさせていただきます。またしばらくご家族で過ごされる時間が長くなりますが、よろしくお願いいたします。皆様は、それぞれ入園テストの準備をされた時の思い出がおありですが、そのころを振り返ってみると、お子様はどのような成長を遂げているでしょうか。身体だけではなく、できるようになったこと、お話すること、人の気持ちを考えること、心の成長、一年を振り返っただけでも子どもの成長、変化は驚くほどだと思います。他の子どもとの比較ではなく、自分の子の成長を確かめ、喜び、感謝したいと思います。

「あなたに感謝します。私は畏れ多いほどに驚くべきものに造り上げられた。あなたの業は不思議。私の魂はそれをよく知っている。」詩編139章 14節

10月のおたより

園長より

先日、5歳になった孫がサインペンで絵を描き始めました。黄色の四角の上に水色の四角、ウクライナの国旗のように見えます。その隣に赤と青の四角、ロシアの国旗のようです。そして二つの国旗の間にVSの文字を書きました。子どもの世界にも戦争が身近にあることに恐れを感じます。戦況が連日報道されそこには、間違いなくロシアやウクライナの人の死があるはずなのに、戦争にいやおうなく巻き込まれた人々の悲しみが続いているにもかかわらず、ウクライナ軍が領土を奪還したとのニュースを聞くと喜びを感じてしまう自分にも恐れを感じます。
先日のおじいさまとおばあさまと一緒に音楽を楽しむ会で、園児が平和を16ヵ国の言葉で歌う「みんなで平和」を歌ってくれました。歌声を聞きながら80年前、青山学院の多くの学生が戦地に送られ命を奪われたことを思いうかべました。子どもたちを青山学院から戦争に送り出すことなど二度としてはなりません。みんなで平和と歌う子どもたちを戦争に巻き込んではならないのです。過ちは繰り返してはなりません。それこそが戦死していった人たちの死を無駄にしないことです。平和な世界を作ることこそが最も大切な慰霊です。

「主は国々の間を裁き 多くの民のために判決を下される。彼らはその剣を鋤に その槍を鎌に打ち直す。国は国に向かって剣を上げず もはや戦いを学ぶことはない。」イザヤ書2章4節

9月のおたより

園長より

猛暑が続いた今年の夏も、ようやく朝晩の涼しさを感じるようになりました。皆様のご家庭ではいかがお過ごしだったでしょうか。子どもたちは日々の生活や新たな体験から多くを学び、また成長したことと思います。長い夏休み中のご家族のお支えに感謝いたします。
私は先日、ツクツクボウシの鳴き声を聞きました。夏の終わりを惜しむかのように鳴くセミの声を聞くと、ため息をつきながら夏休みの宿題に追われていた子どものころを思いだします。
子どもにとって楽しい夏休みが終わり、幼稚園が始まることは、両親に守られ安全で自由な居心地の良い家庭から一人抜け出し、社会の一員として集団の枠組みの中で過ごす生活が始まることでもあります。家族だけでは味わえない、友達や保育者との関りから得る楽しさは格別ではありますが、大人にとっての仕事や学校で一日勉強していることと同じような緊張感やストレス、トラブルが毎日のようにあります。休み明けの仕事が疲れるように、園児にとっても負荷のかかるスタートです。しばらくの間、心と体の疲れを受け止めてくださいますようお願いいたします。秋は楽しいイベントが続きます。子どもたちが元気に楽しく仲良く過ごせるように、保育者はしっかりと準備を進めております。コロナの感染が続いていますので、予防対策を取りながら、子どもたちの成長を助け見守ってまいりますので、ご協力をよろしくお願いいたします。

「主を待ち望む者は新たな力を得 鷲のように翼を広げて舞い上がる。 走っても弱ることがなく 歩いても疲れることはない。」イザヤ書40章 31節

7月のおたより

園長より

今年は1泊ではありますが、3年ぶりに軽井沢キャンプを実施できます。親元を離れて一夜を過ごすことは、子どもにとって大きな出来事です。
初めての宿舎、初めての生活。畳の部屋で寝ることも初めてかもしれません。ワクワク、ドキドキ期待と不安がいっぱいです。初めての経験や
初めての出会い、発見の連続かもしれません。初めて経験することがたくさんあることは、喜びです。学びの時です。我が子をキャンプに送り
出す皆様には、心配なことがたくさんあるかと思います。しかし、一人で泊まる体験は、自立に向けて貴重な経験です。子どもはいくつものトラブル、
失敗を経験するからこそ、危険を察知し、回避することやトラブルを解決する術を学んでいきます。保育者や親が先回りして危険やトラブルを
無くしてしまうと、子どもは成長する機会を失うことにもなりかねません。大きな事故は回避しなければなりませんが、子どもには訓練の場も必要です。
軽井沢キャンプは、子どもにとって楽しくもあり辛くもある学びの場です。大丈夫だよと子どもたちの背中を優しく押してくださいますようお願いいたします。

「およそ鍛錬というものは、当座は喜ばしいものではなく、悲しいものと思われるのですが、
後には、それによって鍛え上げられた人々に、平安な義の実を結ばせるのです。」
ヘブライ人への手紙12章 11節

6月のおたより

園長より

以前は6月が衣替えの時期でしたが、最近は気温の上昇に合わせて5月から夏服や軽装に移行する学校や官公庁が増えているようです。このところの陽気は夏の猛暑や熱中症の備えを急がされます。園児のマスク着用についても、コロナの感染状況や園児の様子を見ながら検討してまいります。
子どもたちが楽しみにしているこどもフェスタの準備を進めてくださりありがとうございます。「感謝~ありがとう~」保護者が一丸となって子どもたちの笑顔の為に、をテーマに掲げられ、子どもの主体性を育み、奉仕の精神を学ぶ場を提供されることは、まさに感謝、ありがとうでございます。120人の子どもを120の家族が共に育てる仲間としての交流を深めることも目標にされていますが、皆様の奉仕の精神と子どもたちへの愛情に深い敬意と心からの感謝を申し上げます。保護者会講演会で渡辺先生からのお話にもありましたが、子どもの成長と共に親も成長させられるものだと思います。子どもの主体性、奉仕の精神、協働する力、そして感謝を学ぶ喜ばしい時を過ごせることと信じます。神様のお守りの中に良い準備が進められ子どもたちの笑顔があふれるこどもフェスタになりますようにお祈りいたします。

「私たちは とても 素晴らしいことのために 創られました それは 生きて 愛される ということです」マザー・テレサ

5月のおたより

園長より

新緑の5月を迎え青山キャンパスは木々の緑が輝き、モッコウバラやツツジの花も咲き乱れ、心も晴れやかになります。子どもたちが、道すがら見つけた花を摘んで登園してくる姿は、なんとも和やかで平和な光景です。
4月から、平和を祈る会を始めました。平和は戦争がないことが第一です。しかし、それだけでは足りません。誰の命も大切にされ、誰もが安全に安心して暮らせること、誰もが差別や抑圧されることなく教育を受けられることなど様々な環境が必要です。そして、紛争地の平和がまずは求められますが、これもそれだけでは足りません。環境問題のように地球規模で取り組まねばならないことから、地域や職場、学校での取り組みが必要なことまで様々です。そして平和は、もっとも身近な友人や家族の中から始めなくてはなりません。そしてそのためには、一人ひとりの心の中が平和でなければならないのです。子どもたちと共に、平和を祈る時に、これから子どもたちが生きていく世界が平和であるために、まず私たちの心が、互いを思いやり優しく許し合う平和な心に満たされることを願います。

「喜ぶ者と共に喜び、泣く者と共に泣きなさい。」ローマの信徒への手紙 12章15節

4月のおたより

園長より

今年は、寒さが厳しく長かった冬が終わると、梅や桜が咲き急ぎ、春が一斉にやって来たようです。青山学院幼稚園の新年度も始まりました。幼稚園が始まるのを指折り数えて待っておられた園児とご家族の皆様も大勢いらっしゃると思います。けれども、初めて幼稚園に入る皆さんの中には、不安と緊張の日々を過ごしておられる方もいらっしゃることでしょう。コロナウイルスの感染も心配です。幼稚園は、子どもたちが、安心して楽しくのびのびと遊べる環境を作りたいと願っております。子どものことですから、ケガをしたり他の子に迷惑をかけたりしないかと心配になるのは常のことです。しかし、ケガをすることも、子ども同士のトラブルも全て、子供たちが成長するために、必要な経験です。様々な経験を通して、安全に楽しく過ごす術を学びとっていくのです。子どもが、新しい世界に進むためには、勇気が必要です。失敗しても大丈夫との安心感が必要です。一歩踏み出すきっかけと、安心感を与えるのは、ご家族と保育者の温かい言葉と眼差しです。未来に向かって大きく成長する120人の子どもたちを、120のご家族と幼稚園の教職員全員で力を合わせて育てていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
この一年も、神様のお守りの中で子どもたちが健やかに成長できますように。日々お支え下さっているご家族を神様が豊かに祝福し、お守りくださいますようにお祈りいたします。

「確かに未来はある。あなたの希望が断たれることはない。」 箴言23章18節