青山学院幼稚園からの「園だより」をお届けします。
3月のおたより
園長より
春の日差しの中で梅の花が咲き、桜のつぼみも次第に膨らんできました。秋口には凍えるような寒さだと感じていたのに、寒さに慣れた身体にはその頃と同じ気温が暖かく感じられます。この1年、私たちの生活には大きな変化がありましたが、季節はいつものように巡ってきました。毎日慌ただしく過ごしていると、見落としがちな季節の移ろいのように、子どもは、同じような日々を繰り返すうちに、大きな変化を遂げています。子どもは、早い遅いはあるとしても間違いなく確実に成長しています。子どもが自分の中に持っている成長する芽を、暖かい春の日差しのように見守り続けたいと思います。この一年の成長をそれぞれのご家庭で振り返ってみてください。できるようになったことがたくさんあると思います。一人ひとりの成長に感謝します。生まれて初めて笑った時、言葉を言えた時、立てた時、歩けた時、その時々に家族からの喜びと称賛の声を聞きながら、子どもは健やかに安心して成長してきました。ご家族の温かい言葉こそが、子どもの成長に必要なものだと信じます。美味しい食べ物にまさる子どもを健やかに成長させる、思いやりと感謝の言葉、慈しむ眼差しを存分に注いでください。そして、ゆっくりと確実に伸び行く子どもをじっくりと待ち続け、見守り続けてください。この一年間、お子さまと共にいて慈しみ育んでこられた皆さまに心から感謝いたします。ありがとうございます。
『人はパンだけで生きるものではない。神の口から出る一つ一つの言葉で生きる』マタイによる福音書4章4節
2月のおたより
園長より
新型コロナウイルスの感染が未だに収まる気配がなく、先行きが見えない状態は感染の不安を募らせます。感染のリスクを抱えながら仕事に従事されておられる方々に感謝するとともに、健康が守られますようにお祈りいたします。幼稚園は、子ども同士や保育者との接触なくしては保育が成立しませんので、換気・手洗い・消毒、マスクの着用など感染予防には特に気を配っております。皆さまには、保育時間の短縮などご負担をおかけして申し訳ありませんが、感染の状況を注意しながら適宜対応せざるを得ないことをご理解くださいますようお願い申し上げます。
子どもは親の言うことは聞かないが、親のすることは真似るとよく言われます。私の経験では、口癖や仕草など、真似てほしくないことばかり真似されるように思います。「人の振り見て我が振り直せ」との諺がありますが、子どもの言動に自分の姿を見つけることはしばしばありました。学ぶことは真似ること、習うことは倣うことでもあると思います。親や保育者は子どもの良いモデルでありたいと願います。そして、人が倣うべき人は、イエス・キリストにほかならないと思います。
「あなたがたは神に愛されている子供ですから、神に倣う者となりなさい。」
エフェソの信徒への手紙5章1節
1月のおたより
園長より
新年あけましておめでとうございます。この1年も皆さまの上に神さまのお守りと祝福が豊かにありますようにお祈りいたします。
コロナに明け暮れている今を思うと、小林一茶の「目出度さもちう位也おらが春」の句を思い浮かべてしまいます。しかしながら、こんな時だからこそ「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。どんなことにも感謝しなさい。」(テサロニケの信徒への手紙一5章16~18節)との聖書の言葉を心に刻みたいと思います。
青山学院のHPに作られたアドヴェントカレンダーの中で、卒園生である蓮舫さんが、この季節になるといくつになっても「アドヴェントクランツに灯りがつくと♪」のメロディーが頭の中に響いてくる。今こそ静かな祈りの大切さを胸に、他者を労わるクリスマスを過ごしたいと書かれていました。子どものころに口ずさんだ讃美歌が、今も心を温かくしてくれるという、とても嬉しい言葉です。先月、マスクをした子どもたちも同じように賛美をしていました。「イエスさまのおたんじょうを、みんなが待っています、みんなが待っています♪」どんなときにも消えることのない希望を与えてくださる、主イエス・キリストを喜び、祈り、感謝する一年でありますように、お祈りいたします。
「主に従う人よ、主によって喜び歌え。主を賛美することは正しい人にふさわしい。
琴を奏でて主に感謝をささげ 十弦の琴を奏でてほめ歌をうたえ。」詩編33編1-2節
12月のおたより
園長より
サンタクロースが、「今年のクリスマスは中止にしないよ。今年も会いに行くよ。」とのメッセージを、世界中の子どもに向けて発信しました。サンタクロースのプレゼントがクリスマスの本当の意義ではありませんが、子どもたちにとっては、とても嬉しいお知らせです。幼稚園でも例年とは少し違いますが、心のこもったクリスマス礼拝を、今年もささげられることに感謝いたします。
クリスマスで大切なことは、神の御子イエス・キリストのご降誕を喜ぶこと。罪の赦しと救いの道を下さったことへの感謝。そして、神の愛に応えて、互いに愛し合い仕え合うように祈り願うこと。この三つです。主イエス・キリストは、神と人とが仲良く生きられる道を備えられた平和の君です。私たちも、どのような中にあっても希望を失わずに、互いに愛し合い、仕え合って平和な家庭をつくり、平和な社会、平和な世界を作り出す者でありたいと切に願います。楽しいクリスマスをお迎えください。皆さまに、神さまの守りと平安、そして平和を作り出す力が与えられますようにお祈りいたします。
「為(せ)ん方(かた)つくれども希望(のぞみ)を失はず」コリントの信徒への手紙一4章8節(文語訳)
11月のおたより
園長より
今年は、園児が楽しみにしていた楽しい行事の多くが中止になってしまいましたが、ようやくプレイデーや遠足が形を変えて行えるようになりました。保育時間を確保するための軽食も始められています。実施にあたって、皆さまのご理解ご協力に感謝いたします。11月の入園テストに際しても、今年度は密を避けるために長い期間保育をお休みすることになりました。ご負担をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。
幼児教育で必要な点は、自立と協同性と言われます。子どもの自立を育む機会は、家庭の生活の中でも、訓練の場面が多くあります。しかしながら、協同性は、多くの人との関わりが必要ですから、主に幼稚園などの集団において身に付けていくことになります。先日のプレイデーや園外保育でも、友だちと一緒に遊ぶことや競技することを通して協同することを学んでいます。ブランコに乗る順番や走る順番を決める時は、共同性を学ぶ良い機会です。物が人数分用意されていれば、使う順番や、みんなが不満なく分ける方法を考える必要はありませんが、それでは協同性を学ぶ機会が失われてしまいます。そこでのぶつかり合いや、やり取りが貴重な学びです。ご家庭でも何かをする時、あえて小さな物や数が不足している状況を用意してみるのも、楽しい学びの機会になるかもしれません。
10月のおたより
園長より
2学期は、新型コロナウイルス感染予防の対策を講じながら、通常の保育に近づけておりますが、保護者の皆様には引き続きご負担をお掛けして申し訳ございません。今後ともご理解ご協力をよろしくお願いいたします。
子どもの遊ぶ様子を見ていると、不思議に思うことがしばしばあります。積み木を高く積み上げて、もうそれ以上積んだら無理だと分かっていてもわざと積んでいたり、砂場でトンネルを掘って、崩れると分かっていても掘り進んだりします。大人は積み木を高く積んで、すごいねと眺めたり、砂のトンネルが壊れそうなら修復してから完成させたりすることが目的でそこに価値があるように考えます。しかし、子どもにとっては、どこまで積んだら壊れるのかを確かめたり、壊れる時の変化が楽しみだったりするようです。子どもの遊びに費用対効果などという概念はありません。効率性よりも、失敗や成功を繰り返し体験することで、自分の知識や技能を修得することに喜びを感じているようです。大人が見て、無駄だと思える回り道も、子どもにとっては重要で欠かすことのできないプロセスです。転んで痛い思いを繰り返すことも子どもには学びなのだと思います。子どもの主体性を伸ばすためにも、じっくり見守ることを大切にしたいと思います。
神様は万事を益としてくださいます。
9月のおたより
園長より
今年の夏は、連日の猛暑とコロナウイルス感染防止のために、子どもにとってもご家族の皆様にとっても大変な時だった思います。9月になっても予断を許さない状況ですが、感染防止に努めながら、できる限り通常の保育に近づけたいと願っております。手洗いの際の混雑を避けることと、感染予防のために、ちゅうりっぷ組の洗面台を増設し、それぞれのクラスの洗面台の蛇口を自動水栓に交換いたしました。子どもも、手洗いの習慣が身についてきているようですが、トイレの後の手洗いの徹底には保育者も十分注意を払ってまいります。お弁当の開始や諸行事は今後、子どもが楽しく安全に過ごせることを念頭に対応してまいります。これからも、ご家族の皆様にご負担をおかけいたしますが、このような中でも子どもが健やかに成長するために、より良い環境を作ってまいりますので、ご理解とご協力をお願いいたします。
「神はわたしたちの避けどころ、わたしたちの砦。苦難のとき、必ずそこにいまして助けてくださる。」詩編46編2節